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「誰も守ってくれない」鑑賞 |
踊る大捜査線の脚本でおなじみ君塚良一氏が監督・脚本を手がけた映画 「誰も守ってくれない」を鑑賞しました。(at ユナイテッド・シネマ浦和 )
【あらすじ】 東豊島署の刑事・勝浦(佐藤浩市)は、離婚の危機を免れようと 娘からの提案により家族旅行を予定していた。 そんな折にとある少年犯罪の容疑者の家族の警護を任されることになる。 「容疑者の家族?守るなら被害者の家族でしょ?」そんな疑問を持つ彼が 容疑者宅で目にしたのは、執拗に家族を追い回すマスコミの姿だった。 勝浦は容疑者の妹・沙織(志田未来)の保護を担当することになるが ハイエナのように追いかけてくるマスコミに苛立つ。沙織は心を閉ざしたまま。 やがて勝浦の家族をも巻き込み事態は悪化していく。
あんまりまとまってませんけど、だいたいそんな感じ。 佐藤浩市さんはえらくぶっきらぼうで乱暴な刑事を演じられています。 今までは結構スマートな役が多かったのですが、こういうワイルドな役も 似合いますね。 佐藤さんの相棒役の松田龍平さんは、年を重ねるごとに お父さんの優作さんに似てきましたね。 デビューの頃はまだ女性みたいな顔でしたけど。 そしてヒロインでありストーリーの要となる沙織役を演じる志田未来さん。 ドラマでは「探偵学園Q」のときぐらいしか見てないのですが バラエティ番組のゲストとかで出てるのを見ていると、演技をしている時 以外は「なんか変な子」ですが、芝居のスイッチが入るとしっかり 切り替わるあたりはさすが。
全体的に、テイストは暗め。 「容疑者 室井慎次」の頃よりもっとダークです。 テーマがテーマだけに仕方ないのですが、雰囲気としては 「それでもボクはやってない」みたいな感じ。 でもあれは最後まで報われませんが、「誰も~」は少しマシです。 沙織の気持ちがちょっとだけ軽くなれるシーンがあるので。
何かのインタビューで、監督が「マスコミ役の方々には やり過ぎぐらいの気持ちでやってもらった」というようなことを語っていたけど よくよくニュース映像とか思い返してみると、実際あんな感じかも。 護送の車の前に立って通行を邪魔してるカメラマンとかいるし。 映画で描かれる中には、明らかにあり得ないというような部分もあるけれど なかなか目撃しないだけで、実際にあるのかもしれない。 そんな気にさせられるぐらい、常識が通用しない状況が連続するので 見ているとどれがリアルでどれが非リアルなのかもわからなくなってくる。 ちょくちょく松田龍平演じる三島刑事が、ちょっとした 笑いの要素を入れるのだけど、あれがなかったら本当にずっとどんよりした 気分になって見ていられない。
怖さとして際だつのが、「集団心理の恐ろしさ」という部分。 マスコミが「知る権利」を盾に執拗にスクープを追い求め、 情報を得るためには違法行為もやむなしみたいな行動をしたり ネット上で個人情報を追求し、対象者を追い詰める人間がいたり。 「大勢がやっているからやってもいいんだ」と考える人が集まると 相当の脅威となる。その怖さを改めて思い知らされた。
家族で観ることは(子供がある程度の年齢ならいいけど) お勧めしませんが、ハッピーエンドばかりの映画に飽きた方は たまにはこんなシリアスなものもいかがでしょうか。
君塚監督作品の入門として、まずは「容疑者 室井慎次」 でシリアス路線に慣れておきましょう。
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